豆乳を買う理由

キッコーマンが、豆乳を買って点数をためるとディズニーランドのペアチケットの抽選に応募できるというキャンペーンをやっている。
空腹感をごまかすために飲もうと思って買った豆乳のパッケージに書いてあった。
 
それで私はキャンペーンに応募すべく、最近せっせと豆乳を買っている。
別に私はディズニーはそこまでファンではない。積極的に行きたいとも思わない。
ではなぜキャンペーンに応募し、あわよくばペアチケットをゲットしようかとしているのかと言うと、岡田くんがディズニー好きだからだ。
 
 
4月の平日に急に思い立ってディズニーシーへ行った。急に思い立ったのは岡田くんだ。私が思い立つならば善光寺の御開帳を見に行くとか、仙台に牛タンを食べに行くとかだ。
 
25年ぶりのディズニー。小学校1年生の時に両親がディズニーランドに連れて行ってくれた以来だ。シーにおいては初。
一方岡田くんは、幼少のころから年に一度は両親が連れて行ってくれたそうだ。我が家の父がその一度だけのディズニー旅行のあと、「もう二度と行かねえ」と言っていたのとは真逆のご家庭だ。
なので岡田くんは、キャラクターがいれば手を振って、人の合間をうまくよけつつ前に出て写真を撮る。正しい楽しみ方と作法を知っている。尊敬が止まらない。
 
 
思い立って出かけたディズニーシーは、とても楽しかったし、タワーオブテラーで若干具合が悪くなったし、八つ当たりとイラつきとで険悪な雰囲気にもなったし、最終的に「やっぱりディズニーってすごいね」というキラキラした思い出に包まれた。遊び疲れて、またこれから25年はディズニーに行かなくてもその思い出を胸に生きていけると思えるほどだった。
 
一方岡田君は「次回はランドだね!」と言っていた。「秋かな」とも。
 
そうですか。年内ですか。
 
そうですか。
 
 
先日、上司に宝くじを買わないのか聞かれた。買ったことが無い。当たったらあれをしたい、これをしようという夢よりも、当たるわけがないという思考が勝るのだ。余談だけど、競馬はやってみたい。
 
そんな人間が今、豆乳を飲んでディズニーペアチケットに応募しようとしている。
私は向こう25年くらいはディズニーに行かなくても平気なのだけれど、ほら、岡田くんが行きたがってるし。当たったら岡田くん、すごく喜ぶだろうし。多分だけど、宝くじが当たるより喜びそう。私は豆乳を飲んで空腹感まぎれるし、タンパク質とれるし。
 
まあこれだってどうせ当たりはしないだろうけど。
とかなんとか一人で頭の中でぐちゃぐちゃ言いながら、今日も豆乳を買ってきた。