ただ長い日記。クコの実ごはんとラグビー。

金曜日の夜に買い物して、シャワーで湯船に半分だけ水を貯めて、そういえば懐中電灯はつくのだろうかと見てみたら、電池が入っていなかった。あぁ、単3電池買ってこなかった。

他人事じゃない災害を目の前に、自分事としての自覚の足りなさを思い知った。


10月11日(金)

なにかが変だった。会社の同僚も気づいていて、そんな話をしていた。なんだか全員意思の疎通がとれない日だった。日本全国そうなんじゃないかと思うほど、おかしかった。

周りに他にいないのに上手くすれ違えなくて目の前から来る人と正面衝突しそうになったり、外部講習の講師が勝手に研修生を連れてきたり、時間変更したはずの工事が変更されておらず、外部講習とぶつかった。

変だなぁ、変だねぇ、こういう時は気を付けようねぇと言いながら、流れに身を任せることにした。

中国のお土産にクコの実をもらった。


10月12日(土)

朝8時にエリアメールのけたたましい音で起きた。前夜から変わらない勢いで雨が降っていた。窓から見える建物が雨で白く滲んで見える。

家から歩いて10分しないところに川があるが、自宅は鉄筋のマンションの3階だから避難する方が危険になるかもしれない。それより停電になった時の方が怖い。

電気が使えるうちに色々としておこうと思って、米を炊いたりスマホをこまめに充電したりした。
米を炊くとき一緒にクコの実を混ぜたりする、と中国人の同僚が言っていたのでやってみた。「味は変わらない、栄養をとるため」と言っていた。確かに味は全く変わらない。

夕方、避難指示が出た。


川が氾濫したら危ない、と地図で囲まれたところから自宅マンションはわずかにずれていた。外の様子を見たら、大きい水溜まりが出来ていただけだった。風が強まってきた。

同僚から生存確認のLINEが来た。

22:00、雨も風も少し落ち着いた。ピークが過ぎた。


10月13日(日)

6時過ぎに目が覚めた。電気が使えることをすぐに確認。テレビをつけ、ニュースにする。カーテンを開けたら、天気予報通り快晴だった。


朝食後にコーヒーを入れて、洗濯機を回す。

いつもなら、溜まっていた洗濯物を一気に洗えて気持ちがいいはずなのに。いつもなら、南向きの窓から差し込む日差しを感じて飲むコーヒーが美味しいのに。

いつもと違う。
時間が経つにつれて増えるニュースの、悲しい数字が目に入る。

家族に生存報告をして家族の無事を確認した。
コーヒーをすすって日常生活を送っていることの幸せが、なぜか虚しかった。

ちょっと今日は自分も変だなと思った。

昼食には早い時間にホットケーキを焼いて無心で食べた。空腹なんじゃなくて、虚しかったからだと思う。3枚焼いて3枚食べた。すぐにまた寝た。起きたら昼過ぎだった。

16:00過ぎに少しだけ空腹を感じて作りおきのおかずをつまんだら、めまいがした。寝過ぎとは違うみたいだった。


ラグビーを見た。
選手が前に「信じて」と言っていたのを思い出しながら信じた。

試合が終わって鏡を見たら、力が入りすぎていたのだろう。首に紫斑が少しだけ出ていた。