結婚は買う時代 3.おしえて検索

結婚相談所のマッチング無料体験に行ってみた。髪の毛先が傷みまくったお姉さんの熱量に圧されつつ、サービス内容の説明を受ける。

それが終わると、ようやくマッチング体験だ。


お姉さん「まずはヘミヤマさんの情報入力でーす。」

学歴、年齢、身長、居住地、職業、年収、飲酒の程度、喫煙の有無、等。無料体験だったからか、項目はシンプルだった。さほど答えにくいような項目も無い。
お姉さんがパソコンを操作しながら進めていく。


お姉さん「では、今入力したヘミヤマさんのスペックを、どれくらいの人数の男性が条件としているかですがー。」

お姉さん「はいっ、2000人ー!2000人もの男性がヘミヤマさんを求めてますー!」


求めてますって、言い方~。あと拍手すな。


お姉さん「年齢の分布を見ましょうかー」

遺伝子話でお姉さんは言っていた。男性が結婚相手に求める条件として挙げるもの、それは「年齢」であると。

そしてお姉さんはさらに言っていた。

男性は自分の年齢が上がろうとも、相手に求める年齢は変わらない。自分が30代40代50代になろうとも、結婚相手の条件は変わらず「20代から30代の女性」のままであると。


お姉さん「ヘミヤマさんを求める男性は、30代の層が一番人数が多いですねー」

これはまぁ想定内。


お姉さん「次にこの2000人の男性の職業別の人数を見てみましょうねー」


職業は、「エンジニア」や「公務員」等で表示される。その他に「美容師」「販売」「医者」、中には「自由業・スポーツ選手」もあった。タレントってこと?いるの?そんなひと、こんなところにくるの?


お姉さん「はい、ヘミヤマさんの場合、エンジニアが多いですねー。SEとかですね。理系男子は好きですかー?」

私「浮気しなさそうなイメージですね…(テキトー)」


その時私は、画面に表示される職業の一番端に「11人」とあるのを、目ざとくも見逃さなかった。


私「ねんきん、って」

お姉さん「男性は、結婚相手に求める条件…なかなか変わらないですからね…」


私を求める2000分の11が、年金暮らし。
このときばかりはお姉さんの語尾も伸びなかった。


お姉さん「ではこの2000人からヘミヤマさんが求める男性が何人いるか見ていきますよー」

次に自分が求める条件を入力して絞り込みをしていく。先ほど自分について入力した項目とほぼ同じだ。


お姉さん「お相手の身長ですけど170くらいですかねー?」

私「え、あ、はい」

お姉さん「次に職業でーす。年金は外しましょー、か、ね」

私「はい」

お姉さん「お酒は飲める人がいいですかねー?」

私「ほどほどで…」


お姉さんがテンポよくどんどん入力していく。あまりのテンポのよさに自分の意思なのかわからなくなってくる。よくわからないまま入力が終了。


お姉さん「ヘミヤマさんを求める2000人の中で、ヘミヤマさんの希望する条件の男性は何人でしょうかー?」


お姉さん「出ましたー。400人!1日に一人会っても一年以上かかる!」

私「ほう」


お互いの希望条件が一致した男性は400人。その中から2人の詳しいプロフィールが出力された。


その① 関西出身/都内在住/一歳年上

家族構成や最終学歴、専攻まで書いてある。かなり細かい。職業についても書いてある。


・職業 販売系/土日休み

・年収 900万

きゅ、きゅうひゃくまんんんんん????


は?なに、土日休みの販売で年収900万って現実?何を売ってるの?ハイになれるなんか白い粉とか??フィクションじゃないの?なになになにー??嘘でしょーーー??


プロフィールの最後に趣味や一言が添えられている。当たり障りなくとても爽やかな感じのことが書いてあったが、年収で度肝を抜かれた小市民の私には届かない。

その②甲信地方出身/都内在住/2歳年上

・職業 SE/土日休み

・年収 700万


いやもう700万なんて相当すごいわけですよ、本来なら。でもその①のお方が遥かにすごすぎるわけでして、何も感じないわけではないけど、その②の方ごめん、インパクト面で持ってかれてしまっている…!


私「900万、やばいっすね…」

お姉さん「うちの会員の方はけっこう収入高い方多いんですよー」


収入が高すぎてもはや恐怖心が芽生える。


お姉さん「こういう検索の他にもー、入会していただくと有料ですけど写真で好みの見た目の方を探すというマッチングもあるんですよー」


しゃ、写真で…??!

写真を選んで…、外見重視のマッチング…??!

ファーーーー(言葉にならない感情)


今回の脳内BGMは、「おしえて検索」tofubeats feat.神聖かまってちゃん
でした。


次で終わりです。(疲れた)