電気感受性、能動型

例えば「千と千尋の神隠し」で、契約印とともにハクの口から出てきた虫みたいなやつを踏んづけたときの、千尋の髪がぶわっと逆立つまさにあれ。
髪の毛が逆立つほどの怒りや驚き、ぞわぞわや緊張があるとき、どうも私ってば電気経路に影響を与えている気がする。

オンラインでの最終面接で話している途中、部屋の照明がパッと落ちた。面接の向こうもこっちも「え?」となり、笑ってごまかしつつ電気をつけた。
ずいぶん前に夜中に仕事の準備をしていたら電気が切れたことはあったが、あれはそもそも蛍光灯の寿命だった。電気が落ちてすぐに直るなんてこと、それまで一度もなかったし、そしてそれからも一度だって起きていない。

他には前職の職場で、仕事中にあったイラつき案件を申し送りしている最中。「まじでイラつくんです…!」と説明に力が入った瞬間、一番近くのPC付近からバチッと音がした。PCを使っていた同僚がすぐ「PC落ちました…」と言った。どうやらその付近一帯のブレーカーが落ちたらしい。

あと先輩のPCのネットワーク不調を見てみたらすぐに解決してしまったとき。指からWi-Fi出てるのか疑われたことがある。私は断じて歩くフリーWi-Fiではない。

感情の高まりとこれらの現象(最後のWi-Fiの話は別だが)は全てタイミングの問題だというならそれはそれでいいのだが、なんとなくそうじゃない気がしている。影響を及ぼしちゃったかもしれないというちょっとした自責の念。
しかし私以外にもこういう人は少なくないのではないかと思っている。ジブリのヒロインたちの髪が逆立っているとき、どこかで電気がパリーンとなってそうじゃありませんか。そういえばモンスターズインクのブーも、うる星やつらラムちゃんも、気持ちが高まると電気バリバリだ。その世界観の作品が生まれた背景として事実、そういう人はある一定数はいるのだろう。

調べてみるとそういう体質を「電気感受性」とかいうらしく、能動型と受動型があるようだ。電気に影響を与えるのが能動型で、逆に電気製品などから影響を受けるのが受動型だとか。へぇ。(1へぇ)

もっとこの体質のようなものを洗練させていったら、自由自在に電気を操ることができるようになるだろうか。そしたら非常に便利だ。コンセントを外してもエアコンが使えるようになったり、リモコンに手を伸ばさずともテレビをつけたりチャンネルを変えたりできるようになるかもしれない。マーベル映画のヒーローのように特殊能力大放出で世界を救ったり、逆にヴィランのように自己中心的で不幸を生むような使い方ではなくとも、自分の半径1メートルくらいの世界は少し楽しくなりそうだ。

と思ってちょっと、無理やり悲しいことや腹立たしいことを考えてみたりしている。今のところ何も起きないし、すでにちょっと飽きてきた。
なにかできるようになったら報告します。