健康の証明

いつかのアレルギーテストで、医師から「近年まれに見る健康体」と太鼓判を押されるくらい健康なので、健康診断もいつだってオールA。なのだが、今回の健康診断で「要精密検査」が出てしまった。

え、嘘。

日常が非日常になってしまうのではないかという不安と、もしかして会社を辞める理由ができたかもという淡い期待。
健康が過ぎると罰当たりにもそういう気持ちが入り交じる。

突如病魔に襲われ、愛する人との記憶を無くすヒロイン。それでもお見舞いに来る献身的な貴方のことを、私、知らないはずなのに涙がでるのはどうしてーー
というのは一昔前の韓国ドラマ。

突如病魔に襲われたとして、検査入院と仕事の引き継ぎやらスケジュール調整に悩まされ、お金はどうする保険会社にはいつ連絡する等と手続きに涙するのが、私の場合は妥当な線だろう。

いやいやまじか。
大きい病気だったらどうしよう。治るやつ?けっこう長くかかりそう?健診って言ったって大した検査じゃなかったし、再検査したらなんてことないことがわかって終わりよね。だって近年まれに見る健康体よ?なめてもらっちゃ困る。

少しばかり緊張しながら、「要精密検査」の該当者だけに渡されるのであろう書類に目を通す。

「要精密検査」の通知、異常箇所のところ。

『眼科検査。矯正視力(左)0.60』

視力落ちてただけでした。

これが近年まれに見る健康体の実力。なめてもらっちゃ困る。
一瞬でも本気でドキドキしたあの時間が恥ずかしい。


ということで最寄の眼科で視力検査してもらったら、問題の視力が1.0になってました。嘘。驚きでアラサー目玉が飛び出ちゃう。

医者からは「疲れ目で一時視力落ちることもあるしねー。今のままで全然平気よ」とのことで、また健康の太鼓判をいただいたような気になっている。

律儀に検査に行って健康が証明されたってのは実に素晴らしいことのはずなのに、なぜだろうか。複雑だ。

https://www.shortnote.jp/view/notes/ADxgskUr