ちょっと京都まで。5.パン①CAFE Uchi

お礼参りをメインテーマに一泊三日の弾丸京都旅。お礼参りが完了したので、裏テーマであるコーヒーとパンを堪能することに。…あれ?私、京都でコーヒーとパン以外、カレーしか食べてない……?今回はパン編です。

(今回もアホみたいに長いし 文体・語調がバラバラで読みにくいですがよろしく丸です)
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安井金比羅宮鞍馬寺、そして貴船神社へのお礼参りを終え、時刻はちょうどお昼前。食べログで調べておいたお店に向かう。

京都はパンの年間消費量が一位なんだと聞いたことがあるが、検索すると本当にパン屋が多い。しかも食べログ3.5以上の評価のところがごまんとあるのだ。おらワクワクしてきたぞ。

京都初日の朝食は、前回までの記事でも書いた通り三条河原町進々堂でモーニング。隣のアジアンカップルが進々堂若い女性スタッフのサーブを見て、「エレガントやんな」と言っていた。※実際は英語

昼食は、叡山電鉄 修学院駅から徒歩5分くらいのカフェへ。
ここはかなり期待していた。

 

■CAFE Uchi
普通のパン屋スタイルのようなパンの販売はなく(まぁカフェなので)、その場でいただく。食べログレビューで予習したところ「てごねパンがうまい」と。「食感におどろき」「お一人様のための空間」と。ほぉ……これは……。

行くしかないですね。

修学院駅で下車。お店の前の通りが水道管工事のため迂回。うそーん!
迂回して一周してもなお反対側も半閉鎖。うそーん!どうしたってその閉鎖を行かねばパンにはありつけないわけである。仕方がないので直進したら、お店の真ん前で工事をしていた。うそーん!

無事に到着したお店の情報がこちら。


▼CAFE Uchi
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260303/26021233/


店に入ると静寂。優しさあふれる笑顔のお店の方々。お客さんの話し声もひそひそで、各々が各々の空間に浸れる。お店側がそのようなコンセプトを設けていて、客もそれを受け入れ楽しんでいる。真っ昼間なのに、深夜のバーのような落ち着きだ。客は私の他に2名客が3組と1人。


席に着くと出されるお冷やにびっくり。お冷やじゃなくて、おぬる。そう、熱くないちょうどい~い温かさの白湯!3月下旬の肌寒さ残る季節に、なにこれ、こんなOMOTENASHI、あたい初めて!豊臣秀吉石田三成の逸話(出会い編)みたい!


コーヒーと米粉ほうじ茶しろあんパンを注文。私以外のお客さんは皆トーストセットを頼んでいた。私はその後に出町柳でおばんざいを食べる予定だったのでいいんです。おばんざい、行ったら売り切れてましたけどね。いいんです。


注文すると軽く焼いてから出してくれるのでちょっとだけ待つ。
待っている間、お店に置いてある本を読んだり店内の装飾を楽しんだ。

ふと、隣の若いカップルの会話が耳に入る。ヒソヒソが割りと大きい。

関西弁カップル。地元の人ではないらしい。大学生くらいのようだ。聞きたくもないが静まる店内ではヒソヒソは時に大声より際立つ。特に彼氏のおしゃべりが止まらない。若いもんね。おしゃべりしたいよね。マックとかドトール行ったらいいのよ…(にっこり)

二人の会話の内容がシェイクスピアについて、になった。
いや、そんな高尚な話はしていない。全体的にくだらなかった。二人は若い恋人たちらしく、薄い会話を楽しんでいた。

彼氏が彼女に聞く。

 

シェイクスピアって知ってる?」

 

愚問じゃね?


店内の静まり加減から察するに、カップル以外の客、もしかするとお店の人もこの会話を聞き入っていたかもしれない。


彼女「知らなーい」

 

 


…… っえ ?

 

 

シェイクスピアという単語のない世界で生まれたのかな…… ?

 

 

彼氏「嘘やん。めっちゃ有名やん」
彼女「そうなん?何した人?」

私(ロミジュリとかハムレットを書いた劇作家!言え、彼氏!劇作家と言うんだ!ロミオとジュリエットと言えばきっと彼女も思い出せるはず!)

店内が謎の緊張感に包まれる。客も店も、皆が祈った。間違えるなよ、と。この緊張感、私だけの思いではなかったはずだと信じたい。

 

 

 

彼氏「え、あれやろ、詩人」

 

 


え、そっちーーーー…?
そ、そっかぁーーー…?

※劇作家であり詩人だったらしいです

 

彼女「ふぅん」

 

ほら見ろピンと来ていない。

わたしもピンと来ていない。

 


間もなくして運ばれてきたほうじ茶白あんパンとコーヒー。


米粉で丁寧に作られ、軽く焼き直されたあんパンの温かさとすべすべとした表面に、おお と思う。
一口かじる。カリっとした表面と、も っち りとした歯切れのパン、ほとんど粒が残ったままの白餡。

白餡はちょっとだけ甘めで、鼻から抜けるほうじ茶の香りと香ばしい後味は少しだけ苦い。

米粉パンって、こんなに美味しいんだ という発見だった。ポンデリングのもちもちよりしっかりとしているのは、パンだからだろう。のど越しがいい。あっという間に食べ終わりそうになる。ずっと楽しんでいたくて、わざと一度皿に置く。でもすぐまた食べたくなって、結局長くは残しておけない。

食べ終わった後の余韻もいい。静かだ。コーヒーもまた美味しい。


隣のカップルがトーストセットを食べながらまだ一生懸命おしゃべりしている。おしゃべりの途中に話題と関係なく「これうまい」と何度も呟いている。


「今度母ちゃん連れてこよ」「お母さん、大丈夫?」「なんで?」「めっちゃおしゃべりやん」「せやねん。でも大丈夫だと思う」


君のおしゃべり気質はお母さん譲りなのか彼氏君よ。親孝行だな。連れてきてあげて。(でも静かにしてね)

 


食べ終わってすぐに立ち去るのが惜しくて、コーヒーだけはゆっくり飲むことにした。

お冷やの2杯目は冷たくて、口の中が気持ちいい。本当に、豊臣秀吉石田三成の逸話みたい。


再訪を誓って店を出た。